力都くんの恋事情。短編
あれは何年前だろうか。
とにかく、俺が一番グレてた中学校の時。
俺は小さい頃から剛の次だった。
剛は頭も良くて男の俺から見てもかっこいい。
しかも、若い時から組長を務めるほどの信頼を得ていた。
剛を見るといつも劣等感ばかりあふれた。
親父に似て強そうな剛。
それとは反対に母親に似て肌、髪、目全て白っぽい俺。
もともと、母親は日本の血が4分の1しか入っていない。
だから、俺は母親のようにしろいのだ。
剛は、俺が劣等感抱いてんのも知ってた。
だから謙遜したり、たまには組長の仕事を俺に任せたりした。
そんな事で見る目は変わらなかったけどな。、
でも、それが剛の優しさなんだ。
不器用な真っ直ぐな優しさ。
そんな剛と劣等感ばかり抱いてる俺。
そんな俺がますます嫌だった。