ひまわり
トイレの前のベンチに下ろしてくれて、私のとなりに座った。


「ヒューヒュー鳴ってるね…吸入器ある?」


「ッケホッゲホッゲホッ…ゲホッ……ある…」


取り出して、吸った…


でも、うまく吸えない…


「いいよ、もたれて…ほら、ゆっくり吸って…」


慣れてるのか、ゆっくりと私の背中をさすってくれた。


そして、なんとか吸えたようで、少し落ち着いた。


「慣れてるんだね…」


「や、陽菜も喘息だからさ…」


「そうなんだ…」
< 30 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop