私とメガネくんの秘密のレッスン
「私知らない人が
先生ってやだな。」
「ワガママ言うな!
だったら白石みたいな才子になれ!」
「し、白石くん?」
突然出てくる俺の名前。
ドキッ。
チラリと横目で見れば、
クリクリな大きな目が俺をとらえている。
うん、確かに可愛い。
だけど家庭教師を付けられるっていうことは、
馬鹿って言うことだろ?
俺は馬鹿な女は一番嫌いだ。
目が合いながらも、
俺はそのまま本に目をうつす。
まぁ鈴村彩乃の家庭教師っつうのも
偶然か何かだろう。
そんな甘いことを考えていれば
チャイムが鳴り響く。
鈴村彩乃も急いで席につくと、
いそいそと教科書を机に並べた。
……鈴村彩乃。
心のなかで彼女の名前を繰り返しながら、
始まった授業に耳を傾けた。
そしてまさか俺が彼女の先生になるとは…
知るよしもなかった。
白石潤side end