私とメガネくんの秘密のレッスン



────ピンポーン……




「あら?
 来たみたいね。」



「母さん!
 まだ話は終わってねぇぞ!」



「えぇぇ?!
 もう来たの?!」




私は食べ掛けのご飯を急いで台所に運ぶと、
ダッシュで洗面所へ急いだ。


シャコシャコシャコ…


フルスピードで歯を磨く。

玄関からは




「彩乃、
 何してるの~?
 先生来てるわよぉ?」



「今行くからぁ!」




うわーん!
来るの早すぎだよぉ!


うがいをして、
玄関に向かえば…




「野郎じゃねぇか!
 絶対に駄目だ!!
 今日は中止!!」




えぇぇ?!
野郎ってことは…男の人なのおぉ?!




「ふふふ、
 ごめんなさいねぇ…
 この子ったら妹に過保護すぎて…」



「ハハハ。
 解るような気がします。
 僕も弟が居ますから。」




あれ?
聞いたことがある声だな…


そんなことを考えながら、
お母さんたちの居る玄関に着くと…




「え…………?」



そこには…



「………はじめまして。
 今日から君の先生を勤めさせていただく
 白石瞬です、ヨロシクね?」



スラッとした身長に、真っ白な肌。
そして黒髪をワックスで遊ばせた…
端正な顔立ちの男の人が立っていた。


……………え?
今白石って言った?



チラリ。
もう一度先生を見ると、


ニコニコした笑顔で私を見ていた。




「えと……
 鈴村彩乃です…
 今日からヨロシクお願いします…」





気のせいだよね?

白石くんに似てる気がするけど、
メガネもないし…

白石瞬って言っていたし…




「………。」





気のせいか!



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