私とメガネくんの秘密のレッスン
「し…
白石くん?
やっぱり熱でも────…」
「ちげぇし。
マジでお前たちが悪い。」
今度は机にふせる白石くん。
夕陽に照らされた綺麗な黒髪は、キラキラ光って天使の輪のように浮かび上がる。
男の子なのに…
私より髪質良さそうだなぁ。
そんなことを考えていると
触りたい衝動に苛まれ…
「……………。
…何のつもりです?」
「うわぁぁぁぁぁぁ!
思った通りだ!
白石くんの髪の毛ふっわふわだぁ!」
わしゃわしゃ触ってしまう。
なんでしょう。
このふわふわな手触り。
「何のシャンプー使ってるの?」
「何って…。
兄の買って来たものを
使ってるだけなので理解しかねます。
…いい加減触るのやめてくれます?」
「いいなぁぁ。
私癖っ毛だからこんな
さらさらのふわふわとは
程遠いよぉ。」
「確かに癖のある髪質ですよね。
雨の日なんてくるっくるですもんね。
…いい加減触るのやめてくれます?」
「よく知ってるね!
雨の日もそうだけど
朝起きると鳥の巣状態なんだぁ!」
「鳥の巣状態からそこまで直すのは
相当苦労してそうですね。
…いい加減触るのやめてもらえます?」
「なぁんか昔家にいた犬の胸毛みたい!
気持ち良い~。」
「…………。」
男の子って髪質固めの人が
ほとんどだと思ってたけど、
そうでもないんだな。
お兄ちゃんなんて男の人なのに
私と同様癖っ毛だからくるっくるの
天パっ子だもんなぁ。
「………ねぇ。」
「え?」