私とメガネくんの秘密のレッスン
「なんなんです?
本当にたちが悪いですね。
無意識ですか?
それともわざとでしょうか?」
「……………え。」
きゅっと掴まれた両腕。
白くて綺麗な白石くんの手が
私に触れている。
そう思うだけで
何故か胸がドキドキして
ざわめいて
根性なしな私はやっぱり俯くしかない。
「…ハァ。
鈴村さんって
どうして逃げるんでしょう。」
うぅぅ、ごもっともです…
「まぁいいけど…。」
そういうとスッと私の腕を
解き放って肘をつく。
そして私を見つめながら
優しく微笑むもんだから
「もっ…」
「………"も"?」
白石くんが怪訝そうな表情で聞き返す。
だけどもうだめ。
私のなかでは……
「もっ、もう無理!
白石くんこれ以上っっ…
私を見ないでーーーっ!」
窮地にたたされるぐらい…
ううん、
もう崖から転がり落ちてる勢いで
キャパオーバー!
「は…………?
…って鈴村さん?!」
私は白石くんの静止も聞くことなく、
図書館を足早に出ていくしかなかった。
うわーん!
せっかく白石くんと普通になれたのにー!
「鈴村さん!」
「こっ、
来ないでーーー!」
「ちょっ…」
こっ、今度は……!
「ちっ、
近寄らないでーーー!」
「ハァァァッ?!」
せっかく普通になれたのに…!
「なんなの…
このドキドキ……」
今度はこの謎のドキドキのせいで
白石くんと
普通に接することが
出来なさそうな予感がするのです…
「わっ、
私の大馬鹿者ー!」
これからのレッスン…
私はどうしたらいいのでしょうか……
………………………
…………………
……………
ーーーーその頃、
図書館で一人残された白石くんはと言うと…
「…なん………
なんだよ、一体。」
非常に困惑し
「あの女…
無意識通り越して
ただの小悪魔なんじゃねぇの…」
今後の彼女との生活に
溜め息をつくしかなかった。