私とメガネくんの秘密のレッスン

………………………
…………………
……………




「…あぁ、
 どうしよう…。」



今日はレッスンの日。
そう、私が逃げてきた現実に
向き合わなければならない
決戦の日でもある。



「あぁ!
 ど~しよ~!」



ぼふん!
ベッドに寝転ぶ。



「………。」



本当にどうしよう…
あの図書館の日から私は白石くんと
以前のようなコミュニケーションが
取れていない…

むしろ学校でも避けるように
目も合わせられないから
密室で二人きりだと更に空気は最悪…


え?
なんで目も合わせられないかって?



「そんなのっ…
 私が聞きたいよぉ!」



ジタバタ ジタバタ ジタバタ!



「………。」



白石くん。
あれから白石くんを見るだけで…
あと思い出すだけで

口から心臓が出ちゃうんじゃないかって位
激しく暴れられちゃって困ってる。
何て言うのかなぁ…



「…ドキドキ。」



ーーー動悸?

ーーー短距離走後のバクバク感?


どれも似てるけど
どれも当てはまらない。


白石くんと目が合うと恥ずかしくなるし
顔の熱だって治まらない。

ただハッキリ言えることは…
今だかつてない経験だと言うことだけ。



「…困ったなぁ。」



「…何に困ってるんだよ?」



「ぎゃっ!

 …おっ、お兄ちゃん!」



あぁ、ビックリした…




「……なんだ、
 お兄ちゃんかぁ…」



てっきり白石くんがもう家に
来ちゃったのかと思ったじゃん!



「もう…
 なんの用?」



「いやいやいや、
 ちょい待て待て待て。

 "何に"困ってるんだよ?」



「えっ…!」



困ってる…
それってさっきの独り言のことだよね?

うーん…
お兄ちゃんに言っても解るかなぁ?



「………。」



「おい、聞いてるのか?」



…一応聞いてみよっかなぁ…。



「動悸でもなくて
 かといって短距離走後の
 バクバク感でもなくて…」



「おう。
 (なんだ?なぞなぞか?)」



「恥ずかしくなって
 熱が上がるものの正体って
 一体なにか解る?」



「………正体?
 …それはなぞなぞか?」



は?
なぞなぞ?



「…なに言ってるの……
 なぞなぞでもクイズでもないの!

 …私の実体験のことを
 聞いてるの!」



「は?!
 実体験だと?!」



わっ!
び、ビックリしたぁ…

突然大きな声出さないでよー!




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