私とメガネくんの秘密のレッスン
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…………………
……………
「…では
今日はこのプリントの問題を
解いてみてください。
解らなければ
僕に聞いてくださいね。」
「はいっ」
数時間ぶりに会う白石くんは
学校で見るような
きっちりしていて真面目な雰囲気とは
かけ離れている。
インテリ感な雰囲気を醸し出してる
眼鏡もしてないし、
大学生のように髪の毛はワックスで
ふわっふわなのもあって
かなりの別人の域だ。
最早私以外
白石くんだと気付く人は
居ないんじゃないかな。
「………僕の顔に
なにかついてますか?」
「えっ……
なにもっ…ついてない……です」
わーっ!
私ったら見つめすぎでしょ!
うん、
さっさとプリントをやろう…
そうしよう…
だけど
「………。」
………。
…………あれ?
「………。」
…おかしいな。
私こんなの習ったことあったっけ?
「………手、
止まってますけど?」
「えっ……」
白石くんが怪訝そうに私を見る。
あれ、でも待って。
ここって…
「し…らいしくん?
……ここ、
未だ習ってない範囲だよね?」
私の記憶が正しければだけど。
すると白石くんは読書をやめて
「…えぇ。
未だ習っていませんが
明日の授業でやる範囲です。
予習にと思いまして。」
「え…
で、でも…」
これじゃあ私…
「まぁ公式に当てはめれば
解ける問題だと思いますよ?
…それに解らなければ
僕に聞いてくださいって
言いましたよね?」
「そうだけど…」
こっ、
これじゃあ私…
白石くんと
会話しなくちゃイケないんじゃん!
(しかも半強制的に。)
どう話していいかもわからないから
ひたすら問題を解いてって
無駄にドキドキしないように
白石くんのことはカボチャだと思って
レッスンを終えようとしてたのに!
うわーん!
どうしよう!
…ってもう白石くん
本読み始めてるし!
だけど声掛けないと進まない…
「えっと…あの」
「………。」
ん?
スルーですか?
「………。」
「あの…」
「………。」
やっぱりスルーですか!
「白石くんっ!」
「はい、
なんです?」
おぉ、
やっとこっちを向いた!
だけど