私とメガネくんの秘密のレッスン


白石くんに視線を送る。
すると分厚い本をパタンと閉じて
私に向き直った。



だけど



「あれ?
 白石くん、
 なにしてるの?」



「ん、
 違和感あるので
 普段の僕に戻ります。」



白石くんは手ぐしで髪型を元に戻すと
鞄から眼鏡を取り出した。


そして



「ふぅ~…
 スッキリ。」



「………あ」



目の前には普段クラスで見掛ける
真面目な白石くんの姿が…

やっぱり…



「やっぱり白石くんは
 そっちの方が良いね。」



見慣れてるのもあるんだろうけど
こっちの方が安心する。
それにさっきまでのドキドキ感が
少し和らいで気にならないかも。



「……本当に
 厄介な女。」



「え?」



今なにか発したよね?
聞こえなかったけど…



「…………いえ、
 なんでもありません。


 では、
 本題に入らせて貰いますけど」



「はははは、はい!
 どうぞ!」



「…………。」




うっ、白石くん
"こいつなにどもってんだ"
って顔してるよ!

その表情結構恐いこと
分かってるのかな?


…まぁそんなこと
口が避けても言えないけど!



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