私とメガネくんの秘密のレッスン
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「僕の質問は以上です。」



白石くんは落ち着いた態度で
答えにくい質問をしてきた。

思っていることをハッキリと
伝えてきた白石くんは
静かに教えをとく仏様みたいで
なんとも不気味。

だけど仏様みたく
穏やかで優しい雰囲気は一切なく、
こめかみにはくっきりと
怒りのマークさえ見えた。

だから余計に恐くて
思うように答えることが出来ない。



でも…



「し、白石くん。」



ちゃんと向き合わなくちゃ。
いつまでも逃げてたって
現状は変わらないもん!

勇気を出すのよ!



「お、怒らないで聞いてね。」



「内容によります。」



うん、
順調な滑り出し!

白石節炸裂!



「…と、図書館の日から
 避けててごめんなさい。」



「やっぱり避けてたんですね。」



ううう…
オーラが恐すぎて顔も見れない。



「それで…
 その……
 避けてた理由なんだけど……」



言わなきゃダメかなぁ?



「はい。
 僕はその答えを
 聞きたかったんです。」



…言わなきゃダメみたい。



「私…」



ドキドキ ドキドキ ドキドキ



「私ね…」



なんだろう。
このドキドキ感と
胸を締め付けられるような痛み。

質問の答えを言うだけなのに…



白石くんに嫌われたらどうしようって
思ってる自分がいる。




「私、
 変なの。」



「…変?」


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