私のイジワル王子様
三年なんて、怖くないし!なんて
気合いの入ったゆめを見ると、頬が緩んだ。

「んじゃ、私望のところ行ってくるね」

「はーい、行ってらっしゃい!」

屋上への階段を上れば、
「おっせーよ!」
笑顔で待っててくれる…嘘の彼氏。

本当の彼氏だったらなあ、なんてね。

「早くこっちこいよ」

ベンチをばんばん叩きながら、私を
待つ姿は子供みたいで、ふっと笑みがこぼれる。

「何笑ってんだよ」

不服そうに睨みつけてきた。

「別に、子供みたいだなって」

「は!?俺は大人だよ」
< 35 / 61 >

この作品をシェア

pagetop