私のイジワル王子様
泣きじゃくる真冬を屋上に残し、
俺は階段を下りる。

「久しぶり作り笑いしたなー…」

真冬といた3ヶ月は作ったりしなかったし…

「すげえ、楽しかったな」

本当のカップルじゃなかったけど
一緒に過ごした時間は幸せだった。

「やべー、さみーな」
一人で歩く廊下はいつも以上に寒く感じた。

教室へ戻ると、陽太はいなかった。

「…で、出した答えがそれ?」
珍しくキレた口調で洸大が聞いてくる。
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