闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
裏路地の街灯の斜め下に単車を止める。
街灯の光が弱く当って出来るだけ改造した斜体が輝く。
従業員用と書かれた扉を開ける。
閉ざされた熱と音が一気に溢れてくる。
俺は表面に貼り付けた笑顔を固定した。
俺をできるだけ隠して、愛されることを拒み、愛することもしない。
地獄だらけの俺の心に希望なんて名の付くものはない。
矛盾してる事だらけだ。
俺自身そう思う。
暇になればいつも自問自答する。
__お前は誰だ?__
新崎遼矢だ
__お前の心はどこだ?__
そんな物__時からない。
__なぜ人を愛さない?__
愛したところで所詮裏切りが待ってる。
__お前に居場所は?__
そんな物なくても生きていける…。
嘘で固めた言葉で自分を保つ。
そんなの限界が来てたけど、また嘘を作り上げて保ってきた。
壊れかけた俺のココロ。
どうでもいい。
自嘲気味な笑いを裏路地に残して俺は夜の俺を出す。