闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
「カオルさん。今日も素敵だね。
久々に旦那とこに行ったって?
カオルさんは俺だけを見ててくれればいいのに。」
偽りの笑顔で偽りの気持ちで偽りの俺。
『あぁ〜ん。シン君(俺のホストの時の名前)だけよ。信じてね。」
上目遣いで俺の胸元に擦り寄ってくる女。
「俺、ショック。俺以外の…。」
このような状況に陥った時。
女ってやつは大半が焦る。
『あぁん。シン君だけよ。シャンパンタワーするから信じてくれる?』
そして、貢ぐ。
シャンパンタワーは1回ででかい金が入るからだ。
どこにそんな金があるのか…。
「シャンパンタワー1つ入りました。」
俺の一声でホストから『おぉぉぉお。』
シャンパンが運ばれてくる。
セッティングをしてホスト全員が集まると…
ノリのいいホストがマイクを持って歌い出す。
『オネェさんの名前は♪』
後ろで盛り上がってるホスト軍団も続ける。
その次がシャンパンタワー注文した人の回答だ。
『カオル♪』
『カオル♪』
ホスト軍団とカオルさんが騒いでる時、俺はカオルさんの体重を支えてる。
このおばさん、重い。
そう思いながらも偽りの笑顔をふりまく。
それでいいんだ。
金が稼げることができたなら、それでいいんだ。