闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
シャンパンタワーで盛り上がったあと。
『シンくぅん。抱っこしてぇ』
酔っ払ってきたカオルさんを追い払う。
「早く帰んないと風邪引くよ。」
俺が帰りたいだけだが…。
『そんなシンクぅんも素敵ぃ。』
独り言を大声で言いながら歩いていくオバサン。
俺の仕事は終わり。
酒臭くなった店の服をかばんに閉まっう。
ぱんぱんに膨らんだ鞄。
入っているのは財布、煙草、ケータイ。
そしてナイフに拳銃。
護身用じゃないぞ、人を傷つけるための道具だ。
これから潰しに行くが、その相手が厄介だ。
だから、この凶器は必ず必要となる。
夜の街を見渡し、異常がないか確認する。
この繁華街にはいないか…。
3つの大きい繁華街を周ったが見当たらない。
ならば…。
どんどん人混みから離れる。
一本道の裏路地を進む。
しばらく歩くと下へ向かう階段がぽっかり地面に開いている。
その階段を降りる。
血で濡れた階段。
血の匂いが充満した部屋に出る。
俺は目を見開いた。