闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
黒猫。
「起きろ光希。今何時だと思ってる?」
短い針が11時を指す。
『寝かせてくれ。昨日は夜までヤクザと鬼ごっこしてたんだ。』
訳のわからないことを言う
確かに、こいつが帰ってきたのは午前4時だ。
寝かせておくか…。
やる事がなくて暇な俺は遅い朝食を作る。
冷蔵庫の中を見るが…。
「何にもねぇな。」
食パン、卵、砂糖、牛乳を用意してフレンチトーストを作る。
自慢じゃないが俺は料理が得意だ。
小さい時から自分で食べるものは自分が作っていた。
フレンチトーストを2つの皿に適当に分けてテーブルに置く。
「光希!起きろ。」
リビングから声をかけてもダメか…。
仕方なく寝室に行く。
「おい、光希起きろ!」
耳元で大きな声で言ったはずだ、
なのに、何で起きないんだ!?
仕方ない…。2週間一緒に過ごしてきた経験を活かして…。
「あーあ。せっかくお前のフレンチトーストを作ってやったのに食べないのかー。まあ、俺が食べるからいいけど。」
わざとらしい声で言う。
『ダメだー!!!』
俺の方を目掛けて飛んできた光希を支える。