闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜


黒い艶々の髪の毛。
シャープな輪郭。
白い首筋。
きめ細かい肌。
目が大きくくっきり二重。
鼻は高すぎず低すぎず綺麗で、唇はピンクで小さい。


目を奪われると同時に、知り合いに似ていると思った。

『…ぉーい。おーい。どうした?遼矢?』

意識が戻る。
一瞬懐かしい思い出が頭に流れた。

「何でもない。」
『そうか。』

光希はすでにクリームを取っていて指先をペロペロと舐めていた。

身を乗り出していた俺は、また、椅子に座り直すと半分残ったフレンチトーストを光希に与えた。

『ん!?くれるのか!?』
「ああ。」
『そうか。それじゃ、有りがたく頂きます。』

既にごちそうさまをしていた光希は再び手を合わせて『頂きます。』と言って
チョコレートをトッピングして食べ始めた。

うえっ。よくあんな甘そうなもの食べられるよな。
もともと甘いフレンチトーストの上にチョコレート。
それを美味しそうに食べる光希は超甘党。

甘いものが苦手なのに、毎朝、朝食をアイツに合わせてる俺は<愛>が欲しいだけなんだ。

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