闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
『しんくぅん!2週間も何してたの?寂しかったよぉ!』
「ごめんね。カオルさん。」
『いいのよ!』
「それより、カオルさん。香水変えたでしょ」
『そうなのよ!旦那より先に分かってくれて嬉しい!一番高いお酒持ってきてー!』
その声で回りのホストたちが一気に盛り上がる。
『さすがカオルさん。』
『やっぱ、いい女だな!』
確かにカオルさんは他の女より綺麗。
ただ、化粧が厚い。
きっと、化粧をとっても綺麗だ。
光希には劣るけどな。
「光希……」
『あら、しんくん。光希のこと知ってるの?』
「当たり前じゃん!有名だからな。」
『へー。……そういえば、しんくんって未成年なのにアルコール度数高いお酒、余裕なんだね』
「え?」
なんで、カオルさんが俺の年齢を?
年を偽っていることをなんで気がついた?
『そんなに身構えないでよ!』
「なんで、俺が」
カオルさんは俺の口に手を当てて、
『しー。』
怪しくほほ笑む。
『店長さん!VIPルームへお願い!』