闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
秘密
『遼矢。どうした?』
俺の前で手をヒラヒラと振っている光希によって、俺の意識は覚醒する。
『なんか、心ここにあらずってかんじだな。』
「そんなにぼーっとしてたか?」
『あぁ。暇だ。』
ベッドの上で上半身だけ起こしてぼーっとしてた。
もちろん、今日のカオルさんとの話が気になりすぎるからだ。
正直、光希の事を光希以外から聞くのは腑に落ちない。
光希の口から聞きたいけど、話してくれるのか?
『遼矢。聞いてるのか?暇だ。とても暇だ。』
「朝飯作るか?」
『いや、いらない。
それより、話をしようか。
聞きたいだろ。私の事。
お前は昨日、ダークエンペラーと会った。ちがうか?』
俺を試すように片眉を上げて聞いてくる。
「な、んでそれを?」
『お前はバイトの後は必ずダークエンペラーの匂いがする。あの匂いすぐに分かる。』
意味の分からないことを言う光希。
『アイツに話される前に話しておこう。
私は……』