闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
口の端から光希の甘い声が漏れ出した。
唾液が銀の糸を引いて光希の口に落ちる。
それを舐め上げて滴がついている光希の目尻をペロッと舐める。
『頼む。優しくしないでくれ。』
俺の胸に手を当ててキスを落としながら呟く光希。
「ああ。」
光希のブラのホックをはずし、胸の膨らみに手を当てる。
ビクッと震える光希。声を出さまいと、下唇を噛んで耐えている。
俺はその唇を指で割って、再び舌を絡ませる。
光希の拳が俺の胸を叩く、唇を離し息をさせてから光希をソファーに押し倒すと、光希の体中にキスを落とした。
ひとつひとつの傷に。
触りながら、舌で舐めキスを落とす。
涙目の光希に優しさなど与えず、下へ進む。
その時、俺の目に止まったのは、どの傷より暖かみのある縫い跡のある古い傷だった。
その夜、光希の声と暖かさが俺の部屋にあった。