闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
明暗の謎
『ダークエンペラーめ!余計なことを言い過ぎだ!』
珍しく怒りの感情を露にする光希。
光希と俺はベッドの上に転がってて、お互い何も身に纏っていない。
「そーか?お前が隠している情報の量に比べれば少ない方だろ。」
俺の腕に乗っかっている光希の頭。
逆の腕で髪の毛を撫でると気持ち良さそうに喉をならす。
「ふっ。まるで、猫だな。」
『いまさらか??付け加えるなら、“黒”猫だ。』
漆黒の髪の毛を見つめながら、光希の匂いに溺れる。
「今日はどこに行った?」
『今日は大森組までな。最近、力をつけてきている。今の若頭が相当の切れ者でな。もうじき、13代組長に就任するだろう。』
「お前、極道と仲がいいんだな。」
『極道は依頼主であることが多い。』
依頼主??
特定の主人がいるわけではないのか?
『聞きたいことがあるなら聞け。内容によっては答えるぞ。』
今日は本当に珍しく、自分からチャンスを示す。
「お前には、今、主人はいないのか?」
光希は俺の質問に少しだけ眉をしかめた。
そして、間をおいてから喋った。
『私を永遠に買ってくださったんだ。今の御主人様は私に自由を与えて下さる。』