闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
『……ん。……ぃったぁ』
「光希!?起きたか??」
ベッドの上で痛みに耐える光希。
光希の体に付いた新しい傷は切り傷で肩から肩甲骨まで深くえぐられていた。
分厚く巻いた包帯からも血が滲み出ている。
「おい。大丈夫なのか!?」
『ああ。もうすぐっ……っ薬が到着する…』
薬が到着?
ピンポーン…ガチャ
『こんばんわ~。いや、事故が起きてたみたいでね。間に合わなかったよ』
『來矢(ライヤ)無駄口叩いてないで麻酔打てっ』
『はいはい。おじょーさん♪♪』
ニコニコ笑っている白衣のいかにも怪しい男が光希の腕に注射針を当てる。
「ちょっ!何やってんだよ!」
『んー?何って医者としての仕事を全うしてるだけですよ?』
医者?!こいつが?
『早く…打てっ!』
『へーい。』
注射を打った数分後、痛みが和らいだ様子の光希は眠りだした。