闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
「俺は今動けない。そっちに幹部を派遣する。そいつの意見は俺の意見だと思ってくれ。」
『あぁ。仁か。わかった。』
頼んだぞ。仁…。
『そーいやー。お前、家に誰か連れ込んでんのか?』
「…なんでだ?」
俺は固まった。
光希のことは知られるわけには行かない。
光希に迷惑が掛かる上に、光希を手に入れたい族、組が一斉に四神連合に押し寄せて来るだろう。
だから、何があっても、誰であろうとも、光希の存在をばらしてはならない。
「夜に女を連れ込むくらいだ。」
簡単な嘘。そして、一番楽な嘘。
『お前が自分家に女を?珍しいこともあるもんだな』
「珍しいか?」
『世の中のすべての女を毛嫌いしているお前の口から女を連れ込む、となると笑い話だよ。』
「勝手にほざいてろ。」
『あぁ。凛花が知ったら落ち込むだろうな
。じゃあ、あとは任せろ。』
「無駄口を叩くな。頼んだぞ。」