闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
奥で唯我が文句を言う声が聞こえたが、無視をして通話終了ボタンを押した。
光希の顔色は良くない。
冷蔵庫を覗くと普段は何もない冷蔵庫に野菜や肉などの材料が詰め込まれている。
何もかも、光希が来てからのことだ。
ミネラルウォーターを2本取りだし、一本の栓を開け、口をつける。
2本目は光希の枕元においておいた。
眠っている光希の頭に手を触れる。
「…光希。お前の隠している事実を教えてもらえないか…?俺は力になれないか?」
静寂が部屋を包んだ。
もちろん、返事が返ってくるなんて思ってもいない。
むしろ、返事なんて貰わない方がいい。
突き放されるだけだから…。
光希の頭においた手を顎まで滑らせる。
極めの細かい肌。
顎を持ち上げ、自身の唇を光希の唇に重ねた。
『変態と言うべきか?まあ、そんなことはいいだろう。お前が聞きたいのは私への質問の答えだろう?』
寝ていると思っていた光希はしっかり起きていたのだ。