闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
『光希~。痛み止め売ったから、少し金額上がったよ~。どーする?』
下心が丸見えだな。気持ち悪い。
『今は纏まった金があるんだ。全て現金で出すよ。』
とは言っても、今はお金をためないとならない。
どうにか、あの人たちに作った借金を返さなくては。
『ええ~~。連れないなー。やっぱ、お金なんか要らないから…抱かせてよ、ね?』
『本当だな?』
『うん!少なくとも光希の傷が完全に治るのは2週間後だから、メールするよ』
『わかった。さぁ、帰れ帰れ。』
部屋からしっしっと手を払って來矢を追い出す。
『じゃあ、ばいばーい』
手を振って帰っていく來矢の背中を見送った。
「やっと帰ったか?あいつ。」
『いつの間に部屋から出てきたんだよ』
「つい、さっきだ。それより、さっきは來矢と何を話してたんだ?まさか、あいつに抱かれるんじゃねぇだろうな?」
こいつ、話を聞いていたのか?
趣味が悪い奴だな。
『お前には関係ない。』
私の言葉で腹を立てたのか、遼矢は部屋の壁を思いっきり殴って声を荒らげた。