闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
「何が関係ねぇだよ!関係大ありだよ。少しくらい俺を頼れねぇのかよ…。」
遼矢が私の頬を撫でる。腫れ物を扱うかのようにゆっくり優しく。
冷たい手が、熱のせいで火照った私の体を冷やした。
『頼ったところで、中途半端な力を持つものは死ぬ。それと、それ以上私に関わるつもりなら、私はこの家を出ていくぞ。
……困るだろ?』
俺を試すような目付き。
困る…?困るだけではない。
きっと、何年たってもなん十年たってもお前を探し求めると思うんだ。
「お前にこの家を出ていってしまわれると、どーもダメそうだ。でも、一切関わらないというのもダメだ。」
『ふっ。そういうと思っていた。お前は我が儘で強引だからな。』
「よく、分かってるな。でも、お前のことに限ってだ。
お前がどこにいたって見つける自信がある。
お前が俺を拒絶しても見つけてやるから忘れんな。」
光希が消えないように居なくならないように、そっと抱き締めた。
『行きすぎた考え方だな。
でも、いいだろう。見つけられるものなら見つけてみろよ。』