闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜
用を足してから扉を開けようとした時聞こえた声。
『てゆうかぁ。凜花の親父ヤバくない?』
私のぱぱ?
『え?どこがよ?』
私はなぜか個室から出ることができなかった。
『なんか。痩せてねぇ?ハゲだし。ああいうの嫌い。』
影で私に対する悪口を言われるのは仕方が無いと思う。けど、親の悪口は言われたくない!
勇気を出して出ようとした時。
『病気持ってんじゃね?』
誰かが言った一言。この一言で私の生活が変わった。
1番信用していた子に言われた。
私の父が病気だって。
その子は知ってた。
私の父が癌だって。私から話したもの。
私はそのこの顔を見なくても誰だがわかる。
私の幼馴染。ユリ。
数分後に出ていったユリ達。誰もいないことを確認して個室を出る。
何でこんなことになってしまったのか。
ユリが話した事は幼馴染だから話した。信用していたから話した事なのに。
家族のもとに帰る。
『あら、遅かったわね。』
すっかり弁当箱を片付けた母親。
今は直視できない。
あの時勇気を出して幼馴染に言っていたら…。そういう気持ちが残る。