闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜


その日から、私に対する友達の目が変わった。

元から友達をたくさん作ることが苦手だった私はすぐに一人になった。

ユリに対しては悲しみしか浮かばなかった。
怒りなんてこれっぽっちも浮かばなかった。

だって、事実じゃん?父さんは病気。
やせ細ってて怖い。


でも、そんな事だけで無視されるってどんな学校だよ。って学校に失望した。

友達には失望できなかった。
そんなに仲は良くなかったし。
本当の友達、親友?と言えるのはユリだけだった。

当然、そのユリも私を無視した。
悲しくて学校を休むことも増えた。
学校が嫌いになった。


そんな生活が半年続いて、
急にお父さんがこう言い始めた。

『家族全員で旅行しようか。』

冬だった。毎年旅行に行くのは夏。
半年前も旅行に行ったのに、なんで?

『私はいいわよ。』
お母さんは何か考えてしてOKした。

『僕もいいよー!!』
弟もすぐに言った。

「…私は、行かない。」
お父さんなんか嫌い!って思ってた時期。行こうとしなかった。

『凜花っ!お父さんはね、』
何か言おうとした母さんの声をお父さんが遮る。

『そっか、凜花は行かないか。分かった。お土産は買ってくるからな。』
持ち前のニコニコ笑顔でそういった。


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