闇に光あれ。〜愛されなかった総長。愛する偽りの心を持った黒猫。〜


その週末。
朝早くに3人は出発した。

2泊3日の旅行。
でも、3人は帰って来なかった。

家に帰ろうと車で走っていた時、スリップした車が3人の乗った車に追突した。

ぶつかってきた車に乗っていた人。
お父さん、お母さん、弟。
合計5人が死ぬ事故となった。

それを知ったのは帰ってくるはずだった日の深夜。

電話から聞こえる複数の車のサイレンの音。

警察によると生き残った人は誰一人いない。

遺体の損傷が激しかったらしい。


その数日後、家でひっそり葬儀が行われた。
家は駆け落ちだったのでおじいちゃんやおばあちゃん、親族は誰一人来なくて、私と葬儀屋さん、弟の友達が三人を見送った。


あとから、お父さんの部屋を掃除してた時のこと。

倒してしまった本の山を直そうとした時。

この手帳って…。去年私が買ってあげたやつ。

一枚めくったら家族写真が貼ってあった。みんなの笑顔が揃った写真。
すぐに泣きそうになる。

そこからは普通に予定が書き込まれていた。

終盤のページになると、ノートになっていた。


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