叶わない恋
「覚えてないなら、もう一回する?」
『遠慮しておきます。』
なんていいつつも、
もう一回やってしまった。
なぜだかとても幸せだった。
絡み合う視線。
熱を帯びた声。
康介さんが愛おしそうに
私の名前を呼ぶ度、強くなる。
あなたへの《好き》が。
キスをする度口にする、
康介さんの《愛してる》の言葉が
私の心を苦しめる。
奥さん、ごめんなさい。
あなたの夫に恋をしました。
あなたの夫と罪を犯しました。
それから私達はほぼ毎日
体を重ねた。