ろじうら喫茶 afterstory
「初めてお店であなたと出会った時から
ずっと、好きなんです」
いつもならここで真っ赤になってうつむいているはずなのに
晴人は優しい表情(かお)で香を見つめていた。
「香さんの気持ちも聞かせてください」
優しい声音なのに何処か強引な響きがあって
香は思わず息を呑む。
いつもは恥ずかしそうに笑って頬を赤らめる晴人が
今日はまるで別人のようだ。
「香さん?」
微笑みながら小首を傾げる晴人に、香は小さく口を開いた。
溢れ出た言葉に、晴人の顔いっぱいに笑みが広がっていく。
嬉しそうに笑う綺麗な顔に、香は思わず視線をそらす。
クスッと小さく笑う声が聞こえると
不意に掴まれていた手が強く引かれ
気がつくと、ほっそりとした腕に優しく包まれていた。