ろじうら喫茶 afterstory
「ハルくーん!
どこにいるの、ハル君!!」
梨香の必死な呼びかけが誰もいない路地裏に響く。
「大通りの方を少し見てきましたが
それらしい姿はありませんでした」
息を切らせて駆け寄ってきた竜二の言葉に
梨香は全身の力が抜けたようにその場にへたり込む。
「…ハル君……」
両手で顔を覆って小さく震える梨香の肩に
竜二は躊躇いがちに手を伸ばす。
そっと触れた彼女の体は、思っていたよりもずっと華奢だった。