ろじうら喫茶 afterstory
「梨香さんは、お店の中にいてください。
私は、もう少し遠くの方まで探しに行ってみます」
「わ、わたしも一緒に…!」
パッと顔を上げた梨香が縋るように竜二の袖を掴む。
「あなたはここにいてください」
縋り付く手をそっと解いて竜二は優しく微笑む。
「もしかしたら、晴人君がひょっこり戻ってくるかもしれません。
その時、お店に誰もいなかったら入れ違いになってしまいます」
言い聞かせるようにゆっくりと紡がれた言葉に
梨香は小さく頷いて竜二の手を強く握った。
「お願いします。
どうかハル君を、見つけてください」
*