ろじうら喫茶 afterstory
うろたえる晴人をそのままに
竜二は黙々と店内の掃除をしていく。
今日は、定休日。
ここぞとばかりに、いつもよりも念入りに掃き掃除をする中で
晴人は忙しなく視線を動かして
扉の向こうと腕時計とを何度も見比べていた。
「こんにちは」
チリンとかすかな鈴の音に、晴人が慌てて振り返ると
扉を背にして立つ、待ち焦がれた人の姿があった。
「こんにちは、鈴宮さん」
「こんにちは竜二さん」
笑顔で挨拶を交わし合う二人を
晴人は少し離れた位置から見守る。
「こんにちは小向さん。
わたしの方からお誘いしたのに、お待たせしちゃってすみません」