ろじうら喫茶 afterstory


「随分遠くまで来ましたね。
おかげで探すのが大変でした」


息を切らせて見下ろす先で
ブランコに座った晴人は弾かれたように顔を上げた。


「リュウさん…」


ようやく見つけた安堵から
竜二は晴人の隣に力なく腰を下ろした。


「私はこれでもインドア派なんですけどね。
こんなに走ったのは学生時代のマラソン大会以来です。
流石に疲れました…」


大きく息をついて足元に視線を落とす竜二を
晴人がキュッと眉間に皺を寄せて、涙をこらえた顔で見つめる。


「…なんでさがしに来たの?」


小さく吐き出された言葉は、とても悲しげだった。

そっと顔をあげれば、ギュッとブランコの鎖を握って
唇を噛み締める晴人が目に入る。
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