ろじうら喫茶 afterstory
「ぼくがいなかったら、リュウさんは姉さんと幸せになれるんだよ!
リュウさんはずっと姉さんと一緒にいられる。
姉さんも、ほんとはそうなりたいって思ってるんだ!
ぼくが…ぼくがいなかったら……!!」
鎖を握り締める手が血の気を失って白くなっていく。
噛み締めた唇の間から嗚咽を漏らし
それでも晴人は、懸命に溢れそうになる涙と戦っていた。
「それは、違うと思いますよ」
竜二の労わるような優しい声音が、晴人の耳に届く。
「だって…!!」
勢いよく顔を上げた目線の先で、竜二が柔らかく微笑んでいた。
「梨香さんの幸せは、晴人君と一緒にいることです。
私の幸せは、そんな二人の家族になって一生見守っていくことです」
晴人の瞳が涙で潤む。
すでに涙腺は、限界だった。