ろじうら喫茶 afterstory
「梨香さんだけじゃない。
私は、晴人君…君ともずっと一緒にいたいんです」
涙が一筋、晴人の頬を伝う。
「う…うわああああ!!」
一度涙が溢れると、こらえきれずにあとからあとから頬を伝う。
ついに、晴人は竜二にしがみついて声を上げて泣きじゃくった。
「落ち着いたら帰りましょう。
梨香さんが、あなたの帰りを待ってます」
震える小さな背中にそっと手を添えて、優しくさする。
見上げれば、街灯の向こうに淡く輝く月が見える。
初めて訪れた場所で見る、見慣れない空。
本当に、子供の足にしては随分と遠くまで来たものだと
竜二は少しだけ感心した。
*