ろじうら喫茶 afterstory


「ハル君!!!」


チリンとかすかに鈴が鳴り、店の扉が開くと
パッと顔を上げた梨香が、竜二のズボンの裾を握り締め
俯きがちに佇む晴人に駆け寄った。


「良かった…本当に良かった!」


泣きながら抱きしめる梨香の腕にそっと体を預けて
晴人が小さく口を開いた。


「…しんぱいかけて、ごめんなさい」


囁くような小さな小さな声だけれど
梨香の耳にはしっかり届いたようで
抱きしめる腕に力がこもる。


「竜二さん、本当にありがとうございます」


涙目で見上げてくる梨香に竜二は照れたように笑って頭を掻いた。
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