ろじうら喫茶 afterstory
「晴人君の脚力には驚かされました。
それに、自分の運動不足も痛感できましたしね」
クスッと笑った梨香の力がほんの少し弱まった所を見計らって
晴人がそっと腕の中から抜け出ると、梨香の手に自分の手を重ねた。
「…姉さん」
不思議そうな顔で首を傾げる梨香を、晴人が真っ直ぐに見つめる。
「…ぼくのこととか、ほかにもいろいろしんぱいなことがあるかもしれないけど
やっぱりぼくは、姉さんを幸せにできるのは
リュウさんしかいないと思うんだ」
梨香の目が驚きに大きく見開かれる。
重ねられた小さな手からじんわりと温かさが広がっていく。