ろじうら喫茶 afterstory
「上映開始までまだ時間があるので
先にご飯でいいですよね?」
「は、はい!」
緊張と恥ずかしさで明らかに挙動不審な晴人の隣を
香は楽しげに微笑みながら歩く。
「わたしのオススメのお店なんですけど
値段の割に量が多くて、すごく美味しいんです」
晴人の頭の中には、パスタやグラタン、ハンバーグなどの
洋食類が浮かんでくる。
「小向さん、苦手な食べ物とかありますか?」
「あっ、えっと…」
ぼーっと見つめていた香の横顔が
突然自分を見上げてきたので晴人は慌てて視線をそらす。
「と、特にないです…。
好き嫌いはしたらダメだって
昔から姉さんによく言われてたから…」
「それは良かったです」