ろじうら喫茶 afterstory
「小向さんったら、涙もろいんですね」
映画館を出てからしばらく経つのに
未だにぐすぐすと鼻をすすりながら
ハンカチで涙を拭う晴人の隣を
香は苦笑しながら歩いていく。
「そこの公園で少し休んで行きましょう。
そのまま歩いてたら
まるでわたしが泣かせたみたいに思われちゃいます」
自嘲気味に笑いながら晴人の背中を押して
香は近くの公園に誘導する。
次第に薄暗くなっていく園内で
目に付いたベンチに並んで腰を下ろす。
「大丈夫ですか?」
「す、すいません…」