聖なる夜に、幸せを。
走って来た三田くんが、私を抱きしめた。
「三田くん…?」
「無事で良かった…。
夜浪さんがいなくなったら…俺…」
「三田くん。
私はいなくならないよ。
クリスマスに約束しているもんね。
大好きなサンタクロースのお仕事、私も頑張るから」
「ありがとう…夜浪さん」
三田くんの抱きしめる体温が寒い冬には心地よくて。
私はそっと目を閉じた。
「三田くん!夜浪さん!」
驚いたような声。
「…錦さん……!?」
「離れなさいよ!
三田くんはあたしの彼氏よ!?
夜浪さん何考えているの?
人の彼氏に手を出すなんて…最悪よ!」
パァンッ
思い切り私の頬を叩く錦さん。
その行動には、さすがにとりまきたちも驚いている。
「待って!」
再び私を叩こうとする錦さんを止めたのは、三田くんだった。