聖なる夜に、幸せを。
「…あたしじゃ駄目?」
「…うん」
「どうしたらあたしと付き合ってくれる?」
「…どうしても無理。
俺は、夜浪さんしか無理なんだ……」
三田くんの現実の言葉に、涙する錦さん。
錦さんのとりまきたちが、錦さんを支えるようにして囲む。
…やっぱり友達だよ。
そうじゃなきゃ、こんな風に囲めない。
「わかったわ…。
じゃあ、夜浪さんと別れたら、あたしと付き合って?」
「別れるつもりはないけど…良いよ」
「その言葉だけで十分だわ」
笑った錦さんは、友達と共に、校舎内へ入っていく。
「三田くん…」
「本当だよ。
俺、夜浪さんが好きなんだ」
「お手伝いをするからじゃなくて?」
「うん。
俺がサンタクロースの家系の人間じゃなくても、俺は夜浪さんを好きになってた」
「三田くん…」
三田くんのことは、ずっと憧れだった。
かっこよくて、私みたいな地味子でも優しくしてくれて。
でも、錦さんに言われて気が付いた。
私、三田くんが好きなんだって。