聖なる夜に、幸せを。
「…聖奈!?」
「お姉ちゃん!?」
トナイさんが“彼女”と紹介したのは、私の姉だった。
「え?
聖奈ちゃん、聖来(せいら)の妹なの?」
「トナイの弟の彼女が聖奈だなんて…。
やだっ、これって運命じゃないかしらー?」
1人ではしゃぐお姉ちゃん。
お姉ちゃんに彼氏がいることは知っていたけど、まさかトナイさんの彼女だったなんて。
「俺、前に聖来さん紹介されたけど、まさか夜浪さんのお姉さんだとは。
…同じ名字だったけど、気のせいかなって思ってた」
「三田くんって意外に天然なのね」
思わず微笑む。
まぁ私とお姉ちゃん、似ていないからね。
お姉ちゃんは少しチャラいところがあるから、髪も染めているし。
「兄さん。父さんと母さんは?」
「奥にいるはずだよ」
トナイさんとお姉ちゃんに会釈し、私は三田くんと奥へ向かう。
三田くんがリビングへ続く扉を開けると、そこには2人の男女が座っていた。
男性は、三田くんとトナイさんと同じ、銀髪に青い瞳。
兄弟はお父さん似なんだね。
女性は、日本人らしい黒髪に、普通の黒い瞳。
外見の全く違う2人だけど、美男美女であることは確かだ。