聖なる夜に、幸せを。







「…聖奈!?」

「お姉ちゃん!?」



トナイさんが“彼女”と紹介したのは、私の姉だった。



「え?
聖奈ちゃん、聖来(せいら)の妹なの?」

「トナイの弟の彼女が聖奈だなんて…。
やだっ、これって運命じゃないかしらー?」



1人ではしゃぐお姉ちゃん。

お姉ちゃんに彼氏がいることは知っていたけど、まさかトナイさんの彼女だったなんて。




「俺、前に聖来さん紹介されたけど、まさか夜浪さんのお姉さんだとは。
…同じ名字だったけど、気のせいかなって思ってた」

「三田くんって意外に天然なのね」



思わず微笑む。

まぁ私とお姉ちゃん、似ていないからね。

お姉ちゃんは少しチャラいところがあるから、髪も染めているし。


「兄さん。父さんと母さんは?」

「奥にいるはずだよ」



トナイさんとお姉ちゃんに会釈し、私は三田くんと奥へ向かう。

三田くんがリビングへ続く扉を開けると、そこには2人の男女が座っていた。



男性は、三田くんとトナイさんと同じ、銀髪に青い瞳。

兄弟はお父さん似なんだね。

女性は、日本人らしい黒髪に、普通の黒い瞳。

外見の全く違う2人だけど、美男美女であることは確かだ。










< 24 / 59 >

この作品をシェア

pagetop