聖なる夜に、幸せを。
「ねぇ三田(みた)。
子どもっぽい聖奈に教えてあげてよ。
サンタクロースはいないってさ」
夏ちゃんが隣の席にいた三田くんに話しかける。
三田クロスくん。
変わった名前の彼は、私たちのクラスメイト。
どこかの国とのハーフらしく、見た目も変わっている。
まず髪の毛。
私の地味な黒髪とは違い、三田くんは綺麗な銀髪。
次に目。
カラコンをしていないため黒い瞳の私と違い、綺麗な青い瞳。
その上整った顔立ちをしているため、三田くんはかなりモテる。
一部の人には王子様って言われている。
まぁその容姿を見れば、誰もが王子様を連想させるだろうな。
「ん?
別に俺は良いと思うけど?」
日本人離れの見た目をしている三田くんだけど、話し方は完全な日本語。
日本語以外にも、彼は多くの国の言葉を話せる。
成績は常にトップだし、スポーツも万能だから、三田くんはかなり目立つ。
「へぇ~。
良かったねぇ聖奈」
「うんっ…!」
思わず俯く。
実は三田くんに、私は密かに憧れていた。
恋とかしたことないから、この気持ちが恋愛感情なのかはわからないけど。
かっこいい上に優しいから…。
でも三田くんは人気者。
私みたいな地味な人とは…釣り合わない。