聖なる夜に、幸せを。







「高校3年生の18歳のクリスマスの夜までに、パートナーが過去に1人も見つからなかった場合、そのサンタクロース候補は殺されるんですの。
…先ほど言った、専門機関に」



え?

そんな重い掟が!?




「18歳のクリスマスに、パートナーがいなくても、過去に誰かしらパートナーになれば、その掟に逆らい、また来年もパートナー探しと出来るのですが、過去に誰もいないと、殺されるんですの…」

「それ…前例はいるんですか……?」

「いえ、過去に誰もいません。
18歳のクリスマスにパートナーがいなかったという前例は何度もありますけど。
過去に誰もパートナーがいないまま、18歳のクリスマスを迎えた例はありません」

「過去にパートナーがいた?」



パートナーは絶対じゃないのか?




「パートナーは確かに絶対です。
解消する場合は、専門機関へ向かいます。

ですがたった1回だけ、お試しで聖なる夜にパートナーを組んで、後に解消することが出来るんです。
まぁその後、サンタクロース候補の家は引越しが余儀なくされますが」

「そのお試しのパートナーと一生会えないってことですか」

「ええ」




なかなか厳しいな、サンタクロースの世界は。




「それぐらいしないと、魔法が使えないんです」

「魔法!?」



何そのファンタジーは!







< 31 / 59 >

この作品をシェア

pagetop