聖なる夜に、幸せを。
「魔法って…何に使うんですか?」
「家にプレゼントを置くためです。
魔法を使って家に入らなければ、プレゼントを置けませんから」
やっぱりサンタクロースは魔法を使えるんだ!
夏ちゃんに教えてあげたい!
…駄目だ。
サンタクロースのことは秘密。
三田くんとの…約束だもの。
「今すぐお返事はいただきません」
桜子さんは再び目を伏せた。
「よくお考えください。
期間はクリスマスまでですが。
クロスを…一生、心替えすることなく、愛することが出来るのか。
生半可な気持ちでは、ワタシ共もそうですが、聖奈ちゃん自身にも影響が及びますので」
「はい」
結局その日に決断は出せず、
三田くんのパートナーに正式になるか決心がついてから、
「答えを出します」と、ゼントさんと桜子さん、三田くんには返事した。
クリスマスまで、あと1週間。
私の人生を左右する…大事な決断。
よく考えて決めないと…。