聖なる夜に、幸せを。
5~聖なる夜に、幸せを~
クリスマス当日。
「さ、さすがに寒いね…」
「大丈夫?風邪引かないでね」
「大丈夫!私体は丈夫なの」
「頼もしいパートナーだな」
クロスに連れられて来たのは、クロスの家のタワーマンションの屋上。
普段は鍵が閉まっているんだけど、ノブの前でクロスがパチンッと指を鳴らすと、不思議と扉が開いたんだ。
魔法だってクロスは当たり前のように言うけど、私はよくわからない。
屋上はタワーマンションの最上階だけあって、町の夜景が良く見える。
綺麗だなぁ…寒いけど。
「さ、着替えるよ」
「え?こんな寒い中!?」
「大丈夫、一瞬で終わるから」
微笑みながら再び指を鳴らすクロス。
すると――――…。
「うわぁっ!?」
制服姿だった私なのに、突然洋服が、制服ではなく、サンタクロースの衣装へと変わった。
私だけでなく、目の前のクロスもサンタクロース姿だ。
赤い三角帽の上には白いポンポン。
赤い膝までのワンピースには、襟やポケット、ボタンに白い縁取り。
ブーツは白くて可愛いのに、赤い線がはいっている。
クロスのは裾に白い縁取りの、赤いズボン。
サンタクロースになるんだって…改めて実感。