おいしいチェリーのいただきかた☆
 
 
「あっ!」
 
 
バランスを崩したフリをして、小宮に倒れ掛かった。
 
 
 
「わっ!」
 
 
いきなり覆い被さってくるあたしに驚く小宮。
 
上擦った声と同時に後ろにのけ反る。
 
でも背後は壁なのでゴンッ、と頭をぶつけるしかない。
 
「イッ」と痛そうな声を出した後、状況に気付いた小宮は次の瞬間、硬直した。
 
 
 
小宮の胸にしなだれかかってるあたしに気付いたのだ。
 
 
 
「ひっ、比奈さんっ!」
 
 
ボッと燃え上がる小宮の体温を感じながら、あたしはすかさず膝を小宮の足の間に割り入れた。
 
肩に手をかけて身を起こす、その直前、グッと密着して頬をあたしの髪で撫でる。
 
すぼまってた肩が大きく跳ねるのを確認してから、ゆっくり胸を離した。
 
 
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