おいしいチェリーのいただきかた☆
  
「ど、どいて比奈さんっ!」
 
 
限界を超えた小宮が訴えかけてくるけど反応できないあたし。
 
ぐるぐるぐると頭が回る。
 
ふにゃ……。ふにゃ……。これっていわゆるふにゃ……。
 
うそでしょ。あんだけ密着したのに……。
今もこんだけ触れ合ってるのに……。
 
ふらっと小宮から離れて床に手をついた。
 
 
 
「小宮……正直に話して」
 
「え? 何を?」
 
「体に異常があるって、言われたことない?」
 
「体に……? いや、別に言われたことないけど……」
 
 
 
ぐわぁぁ~~~~ん
 
 
 
これでも結構スタイルには自信あったんですけど。
 
生唾ゴックンって言われたことだってあったし。
 
それなりにボンッキュッボーンだと思ってたのに……
 
 
なのに。なのに。なのに。 
 
 
 
 
なんて見事な休火山。
 
 
 
 
 
あ、あたしの色気ってそんなもんだったの……? 
 

「小宮……」
 
 
あたしは低い声で小宮の名を呼んだ。
 
 
「は、はい」
 
 
心なしか怯えた声が返ってくる。
 
 
「特訓。月曜から、ガンガンいくからね」
  
 
ごくん、と生唾飲み込む小宮をキッと睨んで言った。
 
 
スポンジ……スポンジ……スポンジ……。
 
 
 
くっ……。ま、負けないもんっ。  
 
 
 
勝負はこれからなんだからぁぁぁっ!!
 
 
 
 
 
 
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